Naka Time and Space

時間と空間に関連する諸々を書きます

5月ランニング記録

先日投稿したこちらの記事では、運動と空間というテーマでランニングについてのあれこれを述べました。

nakanttimespace.hatenablog.com

これから月ごとにランニングの練習記録を残していきたいと思います。練習記録とスペックの変化をオープンにして、走力を向上させたいと考えている方の(反面教師的にであっても)お役に立てたら嬉しいと思っています。

今回は初回ということで、背景や目標、スペックについて先にご紹介させていただきます。

背景

  • 2023年3月から本格的に練習を開始、メインは5000m(目標、というより夢は15分切り…!!)
  • 社会人3年目
  • 大学時代はトライアスロンをやっていた(とはいえホビートライアスリートでした)
  • 社会人1年目はゆるく筋トレをしつつ週に1回タバタ、2年目は水泳、バイク、ランニングをゆるく実施(それぞれ週に1回行うかどうかくらい)
  • リディアードやダニエルズを参考にしつつ基礎期、レペ期、インターバル期、レース期の4期を1セットとして回していく予定
    • イレギュラーなのが4期を通じてLT値改善の練習は週1回以上入れること
      • これまでの経験上自分は短距離型の人間であり、有酸素運動能力を向上させる必要があると考えたため

スペックとその変化

タイム(5000m)

  • 3月始め: 19:05(ロード)
  • 3月終わり: 18:20(記録会)
  • 5月半ば: 18:00(ロード、LT値改善練習の中での記録)

LT値

LT値ペースは20分間走を行い把握しています

  • 3月: 3:53-55/km程度
  • 4月: 3:40-50(風の影響が大きかったり、20分間走きっかりという練習をおこなうことがなかったため幅があります)
  • 5月: 3:37-40/km程度

5月の練習

※3、4月は基礎期でジョグをメインに実施

  • レペ期
  • 継続して週1でLT値改善メニュー実施

練習記録は以下の通りです(文字が小さくなってしまい申し訳ありません...)

月間走行距離

月間走行距離としては怪我を防止するため3月200km、4月250km、5月310kmというようにだんだんと伸ばすようにました。

怪我とシューズ

5月は足を痛めることがなく練習ができました。練習を継続する、ということが記録を伸ばしていくうえで大切になると思います。

↓シューズについて(長い感想なのでスキップしていただいて構いません)


4月は20km超えのロングジョグを数回行っていましたが、今月は最終日のみ実施し、それ以外はノーマルのジョグを15~20kmの距離で行うようにしました。これは、4月は足を痛めることが多かったからです。ただ、これに関してはシューズも影響しているかもしれません。以前はNIKEのシューズを履いていました。とりわけ、Pegasus37, 39、Pegasus Turbo Next Nature等を好んで履いていました。

しかし、これらを履いていた際には足を痛めることが何度かありました。Pegasus39では、シュータンが分厚くきつく紐を縛ることができず、走行中に踵が抜けるような感覚がありアキレス腱を痛めました(結局これはダブルアイレットで解決しました)。Pegasus Turbo Next Natureではロングジョグの際にふくらはぎが肉離れのような感覚になり、1週間ほどランを休止しました。

どこまでがシューズ要因かは分かりませんが、常に靴紐のゆるさ、きつさが気になったり、踵が何となく抜ける感じがしたり、ちゃんと履けているという感覚がずっとない状態で走っていました。NIKEのシューズは自分的には装備を付加するという感覚があります(個人的には後述するように、身体の延長感があるシューズの方が合っているようです)。

そこで、新たにテンポアップシューズとしてBrooksのHyperion Tempoを、デイリートレーナーとしてAdidasのAdizero SLを購入し、5月はこれら2足で練習を行いました。結果としてはHyperion Tempoで右足の親指の上側が靴擦れ的に痛くなった他は一度も足を痛めることがありませんでした。これらを選んだのは、非常にベーシックでシンプルなシューズだという理由です。自分の足はおそらく人よりもデリケートで、少しでも癖があると痛みが出てしまいます。ですので、シンプルであることがマストの条件であると4月までの経験から学びました。

Hyperion TempoもAdizero SLも非常に履きやすいです。

Hyperion Tempoは軽く、接地感覚は薄底のそれでありながら最低限のクッション性もあり、反発してくれます。走行感としては、靴を履いているという感覚がほとんど無く、この大地を自らの足でのびのびと走ることができるというイメージです。武器によるサポート感というよりは、Hyperion Tempoを履くことで自分の足がより走りに適した足になった、自らの身体の延長として機能がシンプルに向上した感覚です。

Adizero SLはPegasusのソールが硬いverという感じでしょうか。接地が非常に安定します。反発も適度にもらえてジョグにピッタリです。


感想

安定して練習を行えました。ただ、レペティションが効果があったかというと微妙なところです。理由は、自分が速筋繊維が多いタイプであるのに、短い距離(~400m)でのレペティションばかりを行っていたからです。

5/27のレペティションでは、1000mと800mを行いました。感覚としては、

  • 1000m: 一定のペースで走れたが、この一定のペースが自身の最大スピードから考えるとまだまだ上げられる
  • 800m: ラスト200mで一気に乳酸発生量に対して処理能力が追いつかなくなり足が動かなくなった。

というものでした。こうしたことから自分にはスピード持久力が足りていないなと思いました。スピードと疲労度の関係としては、自分の場合下のようだと考えています。ピンクで示した未開発区間での持続力が皆無。

LTを超えたペースの部分が未開発

自分は速筋繊維が多いので、これをいかに長距離にも対応できるような筋繊維に変換していけるかが大事になってくると考えています。今後の練習では、速筋繊維を継続的に刺激する時間をもっと増やしていきたいです。具体的には、インターバルであったり、長い距離のレペティションを実施していきます。

網走湖畔の森林の木の空間

5/28の『さわやか自然百景』の舞台は網走湖畔の森林で、そこに生息する様々な生物が紹介されていました。

面白いと思ったのは、「樹洞」という木に穴があいてできた空間です。

https://pixabay.com/ja/photos/枯れ木-樹洞-死-お墓-2475935/

網走湖畔の森林には、水辺を好むハンノキやヤチダモが生えています。柔らかいハンノキや水に根がつかって弱った木は、動物たちが穴を掘って食べ物を探したり、巣穴を作るのに適しています。湖畔に多く生息するキツツキが穴をあけたり、枝が折れたりすると木の内側が腐りやすくなり、空洞ができます。これが樹洞です。

樹洞は様々な動物のすみかになっています。番組では、エゾフクロウとエゾモモンガが紹介されていました。

https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Pteromys_volans_orii.jpg

木自体としては、腐って穴があいた状態というのは正常な状態とはいえないわけですが、そこを寝床にする動物が存在し彼らの生命活動を支えています。こうした種を超えたつながりで成り立っている環境のあり方にはどこか美しいところがあるように思えます。

先日投稿した屋久島の記事で触れた、屋久杉と苔の関係(この場合は屋久島の地質的な成り立ちも関係していました)もそうですが、自然現象というクリエイティビティを有していないものの中で、「共生」と呼べるような様々な生物同士のつながりを見せる自然界のあり方には驚嘆させられます。

nakanttimespace.hatenablog.com

今回の網走湖畔の森林は、鉄道の防風林として残されたという経緯があるそうですが、それ自体としては人以外の生物によって成り立つ共生の世界でした。絵画や彫刻、建築など人間の創造力の産物も美しいと思いつつ、こうした自然現象による産物も違った意味で美しいなと感じました。

良く眠ることは難しい

先日の『クローズアップ現代』は睡眠特集でした。睡眠の重要性は、おそらくみんなが認識しているはずです。

人生の限られた時間のクオリティをどれだけ向上させられるかに睡眠は密接に関わっているので、本ブログとしても興味深い内容でした。

内容

実際に睡眠に悩みを抱えている一般の方の様子が映され、スタジオでは専門家を招き、最新の研究の成果を共有してもらうというものでした。

日本の睡眠事情

世界の50以上の国を対象に実施されたリサーチで、日本は平均睡眠時間が6時間18分で最下位だったそうです。睡眠が不足することによって生じる経済的損失の試算は18兆円にのぼるということで、睡眠はかなり大きな問題であることがわかります。

最近では、ソーシャルジェットラグという睡眠リズムの乱れによって生じるある種の時差ボケ状態も問題になっているそうです。動画配信サービスやSNSなど依存性の高いコンテンツが充実しているために、平日の時間がない夜中でもついつい見すぎてしまったり、ハイブリットワークによって出勤する日とそうでない日でばらつきが出てしまうことなどが主な理由としてあげられていました。

新たな睡眠の指標と死亡リスクの関わり

番組では、新たな睡眠指標である「睡眠休養感」が紹介されていました。これは、朝起きた際の主観的なスッキリ度を5段階で判定するというものです。この指標は、死亡リスクとかなりの関わりがあるということが研究で分かったそうです。

この指標とともに注視すべきポイントとして「床上時間」があります。床上時間は、端的にいえば「眠っていないけど寝床にいる時間」のことです。特に高齢者の方の場合にはこの床上時間の長さも死亡リスクと関わってくるとのことでした。

快適な睡眠のために

番組終盤では、こうした様々な睡眠の問題を抱える私たちに対するいくつかのTipsが紹介されました。

  • 夜は部屋の明かりを薄暗くする
  • 自分にとって快適な室温を保つ
  • 昼寝は14時までに20分以内
  • スマホは光とコンテンツの刺激によって脳覚醒させてしまうため使用しないほうが良い
  • 音楽はフェードアウトさせる
  • 酒はNG
  • サプリや飲料は自分に合ったものを摂取
  • お風呂は就寝1-2時間前
  • 夜中に途中で起きてしまったら腹式深呼吸

感想

分かってはいても…

睡眠が重要であること、良質な睡眠のために実践すべきことはいろんなところで言われているので、多くの人が正解にあたる情報をインプットできているのではないのかなと思います。とはいえ、「それは分かっているんだけど実践に移すとなると…」となるからこその現状なのだろうなという気がします。

番組の最初の例で登場したエンジニアの男性の方が言っていた、終業後も仕事のことが頭から離れない、というのは少なくない人が同様の状態になってしまいがちではないのでしょうか(自分も確かに仕事以外の時間に仕事のことを考えてしまうことがあるなあ、と)。そして、この脳のリソースが何らかの考え事や悩みに占拠されている状態では、先の睡眠のいろはを実践に移すことは難しいのではないかと思います。というのも、そうした状態では適切に処置をとらなければ反芻思考に陥りエネルギーが使われてしまうと思われるからです。

また、動画やSNSは依存性が高く、人間のモチベーションをハックするので一度アルゴリズムの流れにのってしまうと自分の意志で抜け出すことは困難になってしまいます。

それらを踏まえると、とりわけ現代は睡眠のいろはを実践する前に実践するための状態を作る必要があるということになるので、睡眠って本当に大変だなと感じます。

新たな睡眠指標が好きすぎる

番組で紹介されていた新たな睡眠指標である「睡眠休養感」ですが、個人的にかなり好きでした*1

今までいくつかの睡眠系のテクノロジーに手を出したことがあるのですが、主観的にはスッキリ起きれた!という時でも、デバイスが低クオリティの判定を出してきて萎える、みたいなことがあって、どうしたもんかいのと感じていました。そこにこの原点回帰のシンプルな指標で、しかもきちんと有効性が確認されたものだったので、本当にありがたいなと思いました。朝起きて感じたことがそのまま指標になるので、あれこれ考えなくていいのもとてもうれしいです(考えることが増えるというのは睡眠の敵なんですよね…)。

これからは、新たな指標である睡眠休養感とともに快適な睡眠ライフを送れるよう努めていきたいです。睡眠に関わる気づきなどがあればまた記事にしようと思います。

今回の内容をもっと知りたい方のために

番組内容のサマリー:

www.nhk.or.jp

番組にも出演されていた柳沢さんによる快眠術の紹介:

www.nhk.jp

睡眠休養感の研究概要:

www.ncnp.go.jp

*1:本筋からはだいぶ外れてしまいますが、コミカルな面白さを感じたというのがあります。スマートデバイスによって客観的に睡眠の質を測ることができるようになったり、アプリで睡眠を管理できるようになったり、最近はテクノロジーの発達で睡眠がより客観的に、正確に測定できる時代になった感をいろんなところで感じていました。そうした時代にあって、番組の宣伝の段階から「最新の研究から明らかになった新たな睡眠指標とは?」のような形で番組のメインディッシュとしてものすごい盛り上げの流れがあり、「一体どんなすごい指標が出てくるんだ?」となっていた中で出てきた指標が、「朝起きた時の主観的スッキリ度を5段階で評価する」というものでした。「ああついに1周まわったんだなー笑」と。このちょっとしたズッコケ感(実際にはズッコケどころか素晴らしい指標なのですが)が個人的にツボにはまってしまいました。

屋久島の時間と空間

昨日の『ブラタモリ』は屋久島が舞台でした。屋久杉を中心に形成される特徴的な地形、植生、人々の暮らしが紹介されていました。

本ブログのテーマの時間と空間という観点では、長い年月を経て形成された屋久島の地質的な特徴、屋久島がなぜ長く生きるのかということ、空間としては一つの島でありながら多様性にあふれた植生を有していることが興味深かったです。

番組内容

大きく次の内容でした。

  • 屋久島の地質的成り立ちと植生
  • 屋久
  • 人々の暮らし

屋久島の地質的成り立ちと植生

屋久島は、フィリピン海プレートユーラシアプレートの境界に位置し、約1500万年前にこの境界でマグマが生成され、徐々に地中で冷やされ花崗岩となりました。のちにこの花崗岩は、最大で10000m隆起して屋久島ができたそうです。ですから、屋久島には1000m級の山が40もあり、島を構成するのはほとんどが花崗岩です。

また、南から吹いていくる暖かく湿った風は、屋久島の山にぶつかって上昇し、上空で冷やされ雨となって降り注ぎます。屋久島は雨雲の一大生産地です。

こうした屋久島の環境で育つ植物は非常に多様です。屋久島は亜熱帯に属していますが、1000mを超える山の上部の気温は北日本と同等だと言います。これにより、屋久島という単一の空間で九州から北海道までの植生を見ることができるそうです。

屋久

ほとんどが花崗岩によって構成される島で、どうやって立派な屋久杉が育つのかが次のテーマでした。

この秘密は上で触れた豊富な雨量にありました。雨がよく降り、湿った環境は苔にとっては絶好の生育環境です(屋久島には600種の苔が存在するとのことです)。さらに苔は岩の上でも育つことができ、水分の貯蓄機能も優れています。こうした苔の生えた岩を土壌として屋久杉が育っていきます。実際、番組内で出てきた屋久杉は苔の生えた岩を抱え込むような形で立っていました。ただ、それでもやはり岩なので十分な栄養があるとは言えず、そのことが逆に屋久杉をゆっくりと大きく成長させるのに寄与しているということでした。

また、屋久杉は倒れてもなかなか朽ちないのが特徴です。これは、風雨にさらされ傷つくことで屋久杉が多くの樹脂を出すことが関係していて、殺菌、防虫効果のある樹脂によって守られるのです。

こうした屋久杉は、木材として高い価値を見出され、さまざまな建築で用いられるようになります。

人々の暮らし

木材として高い価値をもつ屋久杉の存在は屋久島を林業で栄えさせていきます。

屋久杉は古くは、戦国時代に年貢として納められ、1900年代には屋久杉の森林は国有林となり国の事業として伐採が進められます。番組内では、当時屋久杉の運搬に用いられていたトロッコや線路、山を切り抜いて作られたトンネルが紹介されていました。また、そうした伐採事業の過程で、山の中に集落が形成され、山中の林業で生み出されたお金は山下に落とされ町を栄えさせることになりました。

今は、観光産業が主流となっており、今も昔も屋久杉があって人々の暮らしがあるという形で番組は結ばれていました。

感想

屋久島に関しては屋久杉のことくらいしか知らなかったため、非常に興味深く番組を視聴しました。屋久島の地質的な成り立ちという点も、今ある空間がどのように形成されてきたのか地質学的な視点から目を向ける契機となったため本ブログにとって有益でした。

1点これから考えていきたいなと思ったのは、人と自然の共生(というよりも自然の中で人間が生きること、でしょうか?)が美しいとされていることについてです。今回でいえば、プレートの境界でマグマができて、それが冷やされ花崗岩となり、隆起して屋久島ができ、暖かく湿った空気が山にぶつかり、雨が降り、岩に苔が生え、そのうえに屋久杉が育つ、という流れには「これぞ自然だな〜、すごい!」と感動しました。他方で人々の暮らしの話になると、今は観光で経済がまわっているそうですが、かつては屋久杉を伐採して売ることで富が生み出されており、上の自然のメカニズムとは異質なものであると感じました。

何を美しいと思うかは人それぞれで、どんなことにおいてもそれが本当に難しいなと思っているところです。上の屋久島における自然との共生に関しても、もしかすると肯定的でない人がいてもおかしくないなと感じました。それでも、人間も生物で基本的には生きることを欲しているので、さしあたりはsurviveの視点と、美的評価の視点は分けて考え、あまり特定の立場にコミットしすぎないように気をつけなければなと思いました。

屋久島についての情報

環境省のページにいろいろ載っています

www.env.go.jp

時間による解決

先日、NHKの『知恵泉』という番組で、持統天皇が特集されていました。持統天皇天武天皇の皇后で、天武天皇の政治を引き継ぎ、飛鳥浄御原令の制定、藤原京の造営を行いました。

そんな持統天皇の知恵の一つに天武天皇の殯[もがり]に長い期間をあてたことがあげられていました。殯とは、今でいう葬式にあたる、死者を悼む儀礼のことです。天武天皇はカリスマであり、そんな天武天皇の死は社会に混乱を与え、持統天皇は自身がすぐに政を行っても混乱を助長するだけだと考えました。当時、殯には通常数ヶ月しかあてられていなかったところ、持統天皇天武天皇の殯に2年3ヶ月あてたといいます。

持統天皇から学ぶ

人々の心の動きを察する

ある影響力のあるリーダーがいなくなった際に、すぐに誰かが代わりにリーダーになれば、人々は当然両者を比較します。前任者の力量が優れていればいるだけ、後任者に対する人々のジャッジは厳しいものとなります。こうしたことは政治の世界における首長の交代や、企業のトップの交代を考えてみれば思い当たる節はあることかと思います。

持統天皇はそうした民衆の心の動きがよくわかっていた人なのだと思います。殯に2年3ヶ月も費やせば、人々にとって持統天皇天武天皇の比較対象ではなく、共にその死を悼む同胞となるでしょう。そうした状態になれば、殯後に本格的に政治を開始した際に、民衆は持統天皇のサポーターとなってくれるはずです。

時間による解決

長期間の殯は、上のように実践的なものだけでなく、純粋に感情の面で人々が悲しみを乗り越えるためにも、不安を鎮めるためにも重要だったのだろうと思います。とりわけ当時は、律令制度もようやく整い始めてきたばかりで、人々の信頼に足るシステムが十分に確立されていたわけではなかったため、彼らの生活に安心をもたらしていたのは天武天皇のような優れたリーダーの存在だったのではないかと想像されます。それだけにそうした存在がいなくなってしまうことが人々に与える影響は計り知れないものでしょう。

持統天皇天武天皇の死後すぐに政治に着手するのではなく、あえて長期にわたるステイの時間を設けたことは人々の感情の整理という面でも重要な意味があったはずです。

とりわけ死に代表されるようなショッキングな出来事による心の深い傷つきは、時間の経過によって乗り越えられるということは一つの人生訓になりうると思いました。

まとめ

  • 持統天皇は2年3ヶ月という長期間にわたって天武天皇の殯を行った
  • そのことは持統天皇が政治を安定して行ううえで重要だった
  • 時間の経過には、人々の不安や悲しみを和らげる力がある

楽しいランニング

今回は運動と空間をテーマにランニングについて日頃考えていることを書いていこうと思います。自分はランニングを趣味としています。ランニングにおける「空間」が自分にとってはとても心地が良いです。

景色

ロードバイクにも乗っていますが、交通量の多い場所では、周囲の状況への安全面での気の配りに脳のリソースの一定の割合を持っていかれることもあって、全力で景色を楽しむことは難しかったりします。散歩も好きでよくするのですが、遠くへ行くのに時間がかかってしまい、短時間で多くの景色を楽しむことにはあまり向かなと感じています。

ランニングであれば、ロードバイクほどスピードが出ず、散歩よりも遠くへ短時間で行くことができるのでちょうど良い感じに景色を楽しむことができます。

健康

もちろん健康面でもランニングはgoodです。体力が向上して疲れにくくなったり、血流が良くなったり、デスクワークをしている方は肩こりや腰痛の予防にもなります。また、身体面の健康だけでなく、精神面でのリフレッシュ効果もあります。

中毒

1点気をつけることがあるとすれば、ランニングにはまり込みすぎることです。自分ははまり込みすぎている張本人でもあります。いわばランニング中毒状態です。

これがどういう状態かというと、走れない日が数日続くと居ても立っても居られない感覚になったり、仕事中にも走りたい欲をおさえることが困難になったり、居住地をランニングに適している場所かどうかで選んでしまったり等、さまざまな症状が現れる状態です。

この世界にはランニング以外にも心を振り向ける価値のあることが多く存在します。あまりにランニングにはまり込みすぎてしまって、それ以外のことが蔑ろになってしまえば、大きな機会損失になりえます。

とはいえ、上でも述べたように景色を楽しんだり、健康を維持できたり、ランニングを通じて人の輪が広がったり、ランニングには良いことばかりです。ランニングに苦手意識を持っているけど気にはなっているという方は、短い距離のウォーキングから始めてみると入っていきやすいかもしれません。

まとめ

  • ランニングにはメリットがたくさん
  • ハマりすぎには注意
  • これから運動習慣をつけていきたいという方はウォーキングから入るのがおすすめ

シングルタスクの効用

シングルタスクとその時間をより多く確保することは、集中力を高く維持することや生活の質を高めることにつながると感じています。

気にかかることが少ないということ

実家に帰省するととりわけそのことを実感します。

普段は一人暮らしをしており、さまざまな家事を自分自身でこなす必要があります。それも、毎日決まったタスクのみならず、ゴミ出しや買い出しなど1週間のうちに散発的に入ってくるタスクも存在します。

そうした状況においては、読書をするにしてもNetflixで映画を観るにしても、常に何らかのことが気にかかった状態となっており、脳のリソースを何パーセントか持っていかれている感覚があります。ただでさえ集中力がない自分なので、そんな中では一つのことを30分も集中して行うことができません。

実家に帰省すると、ありがたいことに食事、ゴミ出し、洗濯といった家事は親がやってくれます。これによって脳のリソースをフルで読書や映画に割くことができます。集中力も一人で生活しているときとは比べ物にならないくらい持続し、コンテンツの体験質も高まります。

集中の質

上のような比較において、シングルタスクは集中力を高く維持するうえで非常に大切だと考えるようになりました。というのも、一人暮らし時にさまざまな家事が気にかかっている、いわばマルチタスク状態*1では脳のリソースが想像以上にもってかれてる実感があるからです。

読書をしている際に、「あー皿洗いしなきゃ」と気にかかっていたとしたら、たった皿洗いをするということだけにもかかわらず、"何かが気にかかっている"というそのこと自体が脳のリソースをものすごい勢いで侵食します。

最近シングルタスクが良いといろんなところで聞きますが、以上のような経験から本当にその通りだと思うようになりました。

シングルタスク状態を作ることが難しい場合

上の場合は、皿洗いを先に終わらせてしまえばよいですが、たとえば仕事ではそうした解決が難しい場合があります。2つのプロジェクトを同時進行していて、一方のプロジェクトの締め切り間近のタスクに取り組んでいる際に、もう一方のプロジェクトでも締切が迫っているタスクが存在する場合などはそちらが気にかからざるをえませんし、かといって先にそちらを終わらせる、ということもできそうにありません。

自分も近い状態になったことがあるのですが、こうした場合には一度やるべきことや気にかかっていることなど全てばっと書き出してしまうとタスクを良い具合に細分化でき優先順位がつけやすくなったりすることがあります。そして、時間は有限で、ある時間単位における生産性には上限が存在することを踏まえると、自分が取り組むべきタスク、筋道やタスク消化時間の目標のようなことが明確になります。

取り組むことが明確化すれば脳のリソースをフルに割くことができ、シングルタスク状態が実現します。

まとめ

  • シングルタスク状態は集中力を高く維持するうえで重要
  • 高い集中力は生活の質の向上にも寄与する

*1:実際に複数の何かをしている状態のみならず、"気にかかっている"だけでもマルチタスク状態になると感じています。